今の仕事に限界を感じていて、人事をやりたい。
人事の仕事は未経験だけど転職できるのかな?
どうやって転職活動をすればいいのだろうか?
この記事ではこういった要望に応えます。
この記事で分かることは以下のとおりです。
1.未経験から人事に転職できる可能性
2.人事に必要な要件
3.転職のための準備
こんにちは、クレイン起龍です。これまで通算で約20年、総務・人事の仕事をしてきました。また自分も複数回の転職を経験しています。求職・求人、両方の立場での経験を活かして、転職・採用支援の仕事をフリーランスで行っています
結論 未経験でも人事職への転職はじゅうぶん可能です。
人事の仕事をしていなくても、就活の経験はありますよね
採用も人事の重要な仕事です。求職と求人の立ち位置が変わっただけです。
この記事を参考にすれば人事職へ転職の可能性が見えてきます。
未経験でも人事になれるのか 【結論:未経験でも人事になれます】
未経験歓迎の求人数
求人サイトを見ると人事・未経験歓迎の求人はたくさんあります。
主な求人サイト掲載件数です
リクナビNext | 1800 |
Doda | 380 |
マイナビ転職 | 370 |
エン転職 | 250 |
重複もあるでしょうが、これだけで約2800件。
今はたくさんの求人媒体が存在します。
(公益社団法人 全国求人情報協会の正会員数 59社)
またすべての企業が求人広告を出しているわけではありません。
人材は欲しいが求人広告はコスパが悪いと考える企業もあるのです。
但し採用に年齢は影響します。あなたが20〜30代ならば大いに可能性があります。
40代になると実務経験を求められることが多いです。管理職対象ですね。
人事の業務 採用職を狙う
人事の仕事はいくつかに分かれます。人事の仕事には
「採用」
「制度設計」
「教育研修」
「労務」
などの分野があり、特に「採用担当」であれば未経験者を受け入れている企業が多いです。
それは前述のとおり、ほとんどの人が就活を経験しているからです。
特にスタートアップ企業や急成長中のベンチャー企業は狙い目です。これらの会社は人材確保が急務だから。逆に上場企業や大手は難しいでしょう。
人事に向いている人
どんな仕事でも向き不向きはあります。人事に向いている人は‥
①秘密を守れる人→会社情報や個人情報を扱うから
②人間観察が好きな人→本質的な適性を見極めるため
③感情をコントロールできる→情に流されない
④論理的な思考ができる→情報収集と分析が仕事の中心
等があげられます。
もっとも今はあてはまらなくても、意識すれば修正できます。
人事に求められるスキル
未経験OKな会社でもそれは人事職の実務経験がなくてもよい、ということなので
企業人としては、一定のスキルを求めてきます。
・コミュニケーション能力
・企画・戦略立案力
・専門知識の高さ
・プレゼン力
・情報感度
・経営感覚
・情報収集力
・事務処理能力
があげられます。あなたに「不足している」ところがあれば意識して勉強しましょう!
ですがこのすべてが完璧で無くても大丈夫です。むしろ完璧な人などいません。
こうした条件は採用する側の判断基準のひとつです。転職活動中に高めていくこともできますから、あまり不安に思わない方がいいです。
私も採用担当として、年間100人以上の面接をしたことがあります。基準を設けて面接していましたが、すべてを満たす人には出会ったことがありません。ただどれか一つでもいいので、他の人よりも少しだけ抜き出ているところが欲しいです。面接過程で有利になりますから。
採用されるための対策
では転職活動を始めるために事前の準備をしましょう
長期戦を覚悟する
まずは長期戦になることを覚悟してください。
人事職は人気職種です。当然ライバルも多いでしょう。
また通年で採用している企業は少ないので求人に出会えるタイミングもあります。
転職活動を始めて少なくとも6か月は必要と思ってください。あるいは年単位での
活動になることもあります。焦ってブラックなところを選ぶとたいへんです。
人事だけでなく企業全体の業務を知る
人事担当になれば社内の業務をひと通り理解しておかなければなりません。
一般論でも良いので会社にはどんな仕事があるかを知っておきましょう。
希望する業界や業種があれば面接で有利になります。
例)メーカーの場合。会社の業務
営業:自社製品を取引先や小売店に販売する。
製造:製品の製造や保管
商品開発:新製品の企画・設計・試作、品質改良
資材調達:原材料・部材の仕入れ
購買:外注先の管理、他社製品の購入
生産管理:販売計画に基づく生産計画の作成と実績集計
総務・人事:組織全体や従業員に関わる事
経理・財務:予算・決算業務、税務処理、資金調達
専門知識を身に着ける
専門書を買ったり、セミナーを受ける必要はありませんが、ネットで調べられる範囲のことは覚えておくと自己PRを書くときに有利になります。
1.採用手法
採用の方法は複数あります。新卒・中途採用の手法を知っておきましょう。
特に中途採用は「難易度」「緊急度」「人数」によって手法も異なります。そして
ほとんどの場合、複数の手法を組み合わせて採用活動をしています。
各手法の特徴、メリット、デメリットを理解する。
2.制度設計
制度構築を行うわけではありませんが、現状、どんな制度があるかは知っておきたいです。
①賃金制度について
職能給、職務給、役割給。
ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用
②評価制度について
目標管理(MBO)、コンピテンシー評価、360°評価、
KPI、OKR、1on1、ノーレイティング
③等級制度
職能資格等級、職務等級、役割等級
3.教育研修について
階層別研修、職種別研修、資格取得支援、
OJT、Off‐JT、集合研修、ワークショップ、e-ラーニング
4.労務管理
就業規則や労使協定・社内規定の作成や改定、雇用契約書の作成、
勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、福利厚生、安全衛生、環境・業務改善
各システムやアプリの導入、管理
こんなに覚えなくてはダメなの?
もちろん全部を理解しなくてもOKです。こんな用語(単語)がある、ということ
を知っておいてください。応募書類や面接の中で、覚えた単語を使って自分の
自分のやりたいことをPRすれば面接担当者に良い印象を与えます。
(未経験だけど独学で勉強しているのだな、なかなか前向きで良い)
現実には人事部にいる人でもすべてを完全に理解している人はごくわずかです。
覚えることは分かったけど、どうやって就活すればいいの?
具体的な転職活動
事前に知っておきたい知識は分かったと思います。
次に具体的な方法を紹介します。
求人サイトの活用
今、求人サイトは多数存在します。
TVCMで見る大手サイト以外にも「職種特化型」「地域特化型」「年齢世代特化型」など色々です。規模は小さいですが人事専門サイトもあります。
こうしたサイトを複数利用します。
①企業はすべてのサイトに広告を出すわけではない
②自分に合った求人を見逃さないため
③情報は多い方がいい。傾向と対策がつかみやすくなる
基本、求人サイトの利用・登録に費用はかかりません。一部登録型サイトで有料もありますが(エグゼクティブ求人など)そこまでは必要ないでしょう。
どこを使うにしても、情報はこまめにチェックしておきましょう!
転職エージェントの活用
求人サイトだけでは希望する求人が見つからない、応募しても採用されない、求人
を出している企業について詳しく知りたい、といった時は転職エージェントを
利用することもアリです。
・エージェント側は採用に至らないと報酬がもらえない
・非公開の案件をもっている
ただエージェントにも当たりはずれがあるので、まずは大手で登録してみることを
お勧めします。
自己PRの書き方
ESや面接で良い印象を与える内容3点です。
・成功した話よりも失敗から学んだこと
・継続して取り組んできたこと
・数字で表せること
反対に悪い印象を与えること
・仕事以外の自慢話
・自分ひとりで出来てしまったこと
・抽象的、漠然とした話
嘘と誇大表現は絶対ダメです。必ずバレます。
たとえ面接をクリアできても入社後にぼろが出ます。
それでも自己PRが書けないよ、という方。
次の方法で考えてみてください。
長所と短所を洗い出す→求人票に書いてある「求める人物像」にあてはめる→長所を使って
過去の体験を書く。
それでも「長所もないし、求める人物像も書いてないし、どうすればいいの?」という方
まだ手はあります。私も同じことで悩みました。これといって大きなことはやっていないし
長所といえることもない、書くことがない、そんな人間でした。
そんなときの対処方法の例を紹介します。
あなたに長所が無くても、短所は認識しているのではないでしょうか。
その「短所」を「長所」としてとらえるのです。
例えば「理屈っぽい」のであればそれは「論理的」でありロジカルな考え方できる、また「飽きっぽい、すぐ他のことに気を取られる」のは「好奇心が旺盛」で常に新しいことを求める気持ちがある、という風に見かたを変えて書いてみるのです。
「長所」と「短所」は表裏一体、視点を変えれば良くも悪くもなります。
志望動機の伝え方
応募書類に「志望動機」記入欄がありますし、面接でもほとんどの会社で聞かれる項目です。採用担当者に良い印象を与える書き方をご紹介します。
1.転職活動をしている理由→注意!退職理由と一致していること
2.応募先の企業の良いと感じたこと→企業リサーチは必ず実施してください
3.入社後に貢献できること→過去の経験と結びつけて書くと良いです
例)営業を経験していれば「対人スキルを活かして採用活動に役立てます」など
反対に書いてはいけないことは・・・
1.他の会社にも当てはまるような表現
「御社のビジネスモデルに共感しました」などは避けましょう。
2.「学ばせていただきたい」「経験を積みたい」はNG
うちは養成機関じゃない、と思われます。
3.労働条件に惹かれた
福利厚生が良かったから、通勤が楽になるからなど
志望動機で気を付けることは
応募先企業をリサーチして、どんな人材を求めているのかを理解する、使いまわしできるような表現はしない、具体的な事例(体験)を元にストーリーを作る、入社したあとに貢献できることをアピールする、といったことを意識してまとめれば、採用担当者に良い印象を与えることができます。
まとめ
【これからの人事担当者の役割。AIに出来ないことを目指しましょう】
人事はやってみたいけど、将来性はあるのだろうか?
AIに仕事を取られるっていう人もいるけど、大丈夫?
結論:人事担当の役割は今後大きく変わっていきますが、変化に対応できれば将来はあります。
AIの進歩によってなくなっていく仕事があるといわれています。人事領域でいうと
・採用支援
・評価結果の集計
・組織サーベージ
・人事異動
・社内Q&A
等が挙げられます。
事務的なこと、定型業務は間違いなくAIやRPA(Robotic Process Automation)に取って変わります。
逆に言えばAIやRPAに出来ないことが今後人事担当者に求められるスキルということになります。例を挙げると
1.コミュニケーション能力
人に伝える、人の話を聞くという能力。
2.企画力。
AIやRPAは新しいことが出来ない。過去のデータ蓄積が必要だから。
3.変化に対応する
法律の改正や突発的な変化に対応する能力
人生100年時代といわれています。10年後には70歳まで働くことが普通になるでしょう。 企業も働く人も考え方を大きく変えていかなければなりません。
企業にとってCHRO(最高人事責任者)はCEOに次ぐ重要な役職になって来ています。
(それだけ人事という分野が企業にとって重要ということです)
あなたも今から準備を始めれば時代の変化に対応できるでしょう。
目指す仕事に辿り着けることを祈っています。
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