今、派遣で働いているけど、このままでいいのだろうか?
やっぱり正社員になった方がいいのかな・・・
でも正社員も大変そうだし、どっちがいいのだろう?
そんな悩みを解決します。
この記事を読んであなたの進むべき道を決めてください
はじめに
そもそも派遣と正社員の違いはどこにあるのでしょうか。
同じ会社で働いていても、以下のような違いがあります。
(派遣の形態も複数ありますがここでは「常用型派遣」を前提に記載します)
まずは「雇用主」と「雇用形態」が違います。また仕事の責任範囲や福利厚生(法定外)の利用についても差があることがあります。
項目 | 派遣 | 正社員 |
雇用主 | 派遣会社 | 勤務先 |
雇用形態 | 有期雇用契約 | 無期雇用契約 |
業務責任の範囲 | 契約した業務内容のみ | 異動があり範囲が広くなる |
福利厚生 | 使えない場合がある | すべて利用できる |
こうした派遣と正社員の基本的な違いを理解した上で、正社員への道を解説していきます。
この記事で分かること‥
・派遣と正社員の違いについて比較検証
・スキルアップの重要性
・年収の違い、変化
・キャリアパスの具体例
派遣と正社員の比較
雇用形態について
同じ勤務先A社で働いていたとしても派遣と正社員では雇用形態等に大きな違いがあります。
派遣 正社員
①雇用契約を結ぶのは(雇用主) 派遣会社 A社
②賃金を支払うのは 派遣会社 A社
③社会保険の手続きを行うのは 派遣会社 A社
④勤務先は A社 A社
⑤仕事上の指揮命令を行うのは A社 A社
⑥有休を付与するのは 派遣会社 A社
⑦休業の際の休業手当を支払うのは 派遣会社 A社
上記以外の特性として、派遣の場合は
・異動、転勤がない、仕事は選べない
・3年ルール、5年ルールが適用される
・給与は時間給で計算される 安定しない
などがあげられます。
福利厚生の違い
法定福利については派遣も正社員も変わりはありません。
法定福利とは
健康保険、年金、雇用、労働保険、年休、各種休暇・休業、健康診断(法定検診)等です。
これらは派遣元の派遣会社で加入・実施します。
法定外福利について
雇用契約のある派遣会社(派遣元)で定められている制度についてはもちろん利用できます。また派遣先(勤務先)にある独自の制度については、派遣契約の内容により変わってきます。ほとんどの派遣会社は「労使協定方式」のため、派遣元の制度を利用することになります。派遣先独自の制度については利用できない場合があります。但し以下の項目については派遣社員への実施が義務づけられています。
・教育訓練:業務の遂行に必要な能力のための研修などの実施
・福利厚生施設使用:託児室や保育室・社員食堂・休憩室や、運動場・体育館・保養施設等
派遣から正社員へのスキルアップ
派遣社員として得られるスキルには限度があります。
派遣社員は与えられた仕事に対するスキルと一般的なビジネススキルです。
・コミュニケーション能力
・対人スキル
・ビジネスマナー
・協調性
・実務能力
・報告、連絡、相談
といった基本的なことがほとんどです。業務の改善や企画、マネジメントといったことは仕事で求められることは少ないのでスキルアップの機会は少ないといえるでしょう。
正社員への転換に必要なこと
まずは今の仕事で求められるスキルは確実に習得しておくことが必要です。派遣先の会社で正社員と同等かそれ以上の能力を獲得することが重要です。また派遣社員の場合は未経験可の場合があるので、新しい領域にチャレンジすることも有効です。そのうえでまずは自分がやりたいことを明確にして、何が必要かを見極めキャリアを描いていきましょう。
年収の変化
毎日の仕事をしながらさらに勉強していて、結果収入はどうなるのか?
気になるところですから改めて確認しましょう。
国税庁の調査によると、2021年の正社員の平均年収は508万円、三大都市圏における派遣社員の平均年収は約309万円です。正社員と派遣社員では、200万円もの差があります。
これは職種や地域によっても差があるので一概には比較できませんが、傾向としては正社員に比較して派遣社員の方が収入が少ないことは明らかです。一番の要因は派遣社員にはボーナスがなかったり、あっても正社員よりも少ないことがあげられます。
収入の面で比較すればやはり正社員の方が有利であることは明らかです。また違いは年収だけに留まりません。派遣でいる限り管理職になったり役員になることはほとんどないので、生涯賃金では大きな差が生まれます。その差が1億円になるという試算もあります。月収や年収の差だけでなく、派遣の場合は退職金もなかったり少なかったりします。将来受け取る年金にも影響するでしょう。
派遣から正社員への転換は収入差が大きい
派遣から正社員へのキャリアパスの具体例
派遣から正社員へのキャリアパスは、個人の能力や経験、所属する業界や企業のポリシーによって異なりますが、一般的な具体例を以下に示します。
1. 業務の習得と経験の積み重ね
派遣として働きながら業務を習得し、経験を積み重ねることが重要です。業務に精通し成 果を出すことで正社員へのステップの機会が得られることがあります。派遣社員としての 活躍が認められ、職場内で評価が高まれば、正社員へ推薦してもらえることがあります。なので能力向上と合わせて、上司や同僚との良い人間関係を作ることも大切です。
※厚労省のキャリアアップ助成金制度を利用している会社は派遣から正社員へなりやすいです。勤務先を確認してましょう
2. 正社員採用の募集に応募する
勤務先の会社で正社員の求人がでていたらそれに応募してみましょう。 求人情報を社内公開している場合は特にチャンスです。すでに実務経験がありますから一般の応募者よりは有利になります。
3. 資格取得を目指す
業務に関連する資格やスキルを習得することで、正社員への転換を進めやすくなることがあります。研修や資格取得のプログラムがあれば積極的に参加しましょう!
4. キャリア相談や目標設定
勤務先や契約している派遣会社がキャリア相談サポートを実施していれば利用してみるこ とも有効です。具体的なキャリアパスを明確にして、目標を設定し、その目標に向かって 具体的な行動を起こすことが正社員への道を切り開くことにもつながります。
★注意点!
派遣会社によっては直接雇用になることを嫌がる場合があります。自社の派遣社員がいなくなり売上が減ってしまう、と考えるからです。契約している派遣会社が直接雇用に積極的かどうかも良く調べておくことも必要です。
他社への転職
また、転職もひとつの方法です。今の勤務先(派遣先)で正社員になることが難しいようであれば他への転職も考えましょう。その準備として以下のことを実施します。
1.次のキャリアステップを明確にする
どのような業界や職種、役割を目指すのか、そしてそれに必要なスキルや経験は何かをしっかりと考えましょう。
2.求人情報の確認
非正規から正規への転換やキャリアパスに対する企業の考え方を確認しましょう正社員登用やキャリア支援制度が整っている会社を選ぶことが重要です。
3.企業の安定性と将来性
業績や成長性(業界全体としても)経営方針、理念等を調査し安定した基盤があるか確認しましょう。
4.職場環境や社風の調査
転職先の職場環境や社風も重要なポイントです。自分の価値観や働き方にあった環境で働くことが、長期的なキャリアの満足度に繋がります。社風や社内の雰囲気、働き方の柔軟性等も事前に確認しましょう。
5.交渉の準備
給与や勤務条件などを交渉する場面があります。自分が希望する条件を明確にして、交渉できる準備をしましょう。
これらのポイントを踏まえて、転職先を検討することで、より良いキャリアを築くための一歩となるでしょう。
まとめ
【派遣から正社員へ変わることの重要性とメリット】
・キャリアアップにつながる
専門的なスキルの習得や長期間での成長を目指せる。これにより月々の給与が増えるだけでなく将来受け取ることになる「退職金」や「年金」にも影響するので、生涯賃金が増えることに繋がります
・福利厚生の利用が拡大する
給与以外にもメリットが多い。多様な福利厚生を利用することで自分の負担が減り、自由に使えるお金が増えることになります。
【転職やキャリアアップを考える際のポイント】
目標を明確にして、必要な知識や技術を身に着けること、そのために常に業界の動向や世の中の動きなどの情報収集を行うことが重要です。情報を正確につかみ対策を考え続けることが正社員への道を開きます。
今、派遣で働いていて、疑問や不安を持っていたり、正社員になりたいと考えているのならすぐに行動しましょう。動かなければ何も始まりません。待っていても何も変わらないし誰も助けてはくれません。
さあ、行動しましょう。
あなたの成功を祈っています。
最後にJim Rohnの言葉を記しておきます。
「自分の居場所が気に入らなければ、変えればいい。あなたは木ではないのだから」
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